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ジェミニの檻
第7章 声を聴かせて
''ごめん、もうお風呂はいっちゃったから''

当たり障りのない返事を送り、スマホをしまった。

人が増えて六花の周りが狭まっていく。

志貴が座る筈のスペースも押しやられていた。

「ほら、前に詰める!」

志貴は手に袋を下げて戻ってきた。

六花は前にズレると志貴は足を広げて、後ろに座った。

足の間に六花がいる。

「ひゃぁ!」

頬にレモンティーのペットボトルを当てられて跳び上がった。

「色気のねー声」

袋には他にもりんご飴と焼きそば、フランクフルトが入っていた。

花火が上がると六花が見上げる。

志貴は先に空腹を満たす。

「ね、志貴!綺麗だね!」

振り向くと志貴は頬杖をついて見上げている。

「つまんない?」

「すげー面白い、子供みたい」

指で六花の頬を突つくと、ふぐのように頬を膨らませて拗ねた。

「嘘、凄ぇ綺麗」

背後から手を回すと、六花の膝の上で腕を交差する。

背中にぴったりと志貴の温もりを感じる。

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