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ジェミニの檻
第7章 声を聴かせて
連続で上がった花火が夜空を飾り終わりを告げると、人々はそそくさと駅へと向かう。

六花も志貴に手を引かれて駅へと向かった。

人で溢れ返っている駅前まで来ると志貴は後ろを気にした。

「何?」

「…どうした?」

息の上がった六花に問い掛ける。

「足、長いね」

嫌味を言ったつもりだが、志貴は真剣な顔で見つめ返してくる。

「…下駄で靴擦れ出来ちゃって…」

「ここで待ってろ」

植え込みの囲いに座らせると、通り過ぎてきたコンビニへと戻った。

絆創膏を手にしてレジに並ぶとぽんと肩を叩かれた。

「由岐」

「珍しいな、人混み嫌いなのに、彼女?」

「…あぁ、そっちは?」

コンビニの外に視線をやると渉を始め部活の仲間らしき数人が屯していた。

「あの子も?」

梢がぺこりと頭を下げていた。

「六花のこと、ほったらかしにしすぎじゃないのか?」

「大事にしてるよ、部活のことは解ってくれてるし」

大事にしてる?解ってくれてる?

絆創膏買うと志貴は六花の元に戻った。

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