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ジェミニの檻
第7章 声を聴かせて
降りた駅は志貴の最寄り駅。

「志貴!ここ私の駅じゃないし、それに…その…」

反論する言葉を口籠る。

「続き、したいだろ?」

ホームにはまだ人が居る。

ぼんっと赤面したのを了承と捉えて志貴は再び手を引いて、今度は少しだけゆっくり歩き出した。

信号で立ち止まるとスマホを見る志貴の顔が険しくなる。

玄関を開けて直行したのはバスルームだった。

「浴衣、上げて」

「…っえ…」

「足、洗わないとバイ菌入る」

不埒な想像をした自分に反省する六花は膝下まで浴衣を捲った。

跪いた志貴が冷たいシャワーが当てると、少し傷にしみた。

シャワーを止めて、タオルで水滴を拭き取る。

「ありがと…」

裾を下ろそうとした手を制止する志貴。

「続き、したいなら、上まで捲って見せて」

「っな…」

「自分で捲って、どうなってるか見せて」

真っ直ぐ見つめている志貴の瞳は逆らう事を赦さない。

魔法に掛かったように、裾を捲り上げていく。






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