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ジェミニの檻
第8章 endgate
雨の日は客足も鈍い。

「部活の合宿じゃあねぇ」

「うん…しょうがない、よね」

トレイで顔に風を送りながらえれなは六花を心配そうに見つめる。

「由岐の部活ばかにも困ったね」

それに関しては肯定しかない。

「おはよー!」

後ろのキッチンから顔を出したのは宗治だった。

「何々?どーしたの?オニーサンに言ってみ?」

「…ウザい」

ばっさり切り捨てるえれな。

泣き真似をしながらも、掻い摘んで説明したえれな。

「じゃあさ、六花ちゃんも同じことすればいーんじゃね?」

「同じこと?」

六花とえれな、二人の声が重なった。

「大学の天文部で毎年天体観測に行くんだよね、それに来ない?ロッジを借りて、んー、10人くらいで車で行くの、すっごい星だよ!どう?」

「…でも…」

躊躇う六花に、宗治はえれなを焚きつけた。

「六花、行こ!部活ばかはほっといてさ!六花、星好きじゃん」

「う、ん…でも…」

「わかった!志貴くんも誘おう!」

宗治の突拍子もない提案に驚きを隠せない。

「あいつ、絶対行きたいと思うんだよね!誘うの六花ちゃんの役目ってことでよろしく!あ、いらっしゃいませ!」

宗治はさっさとフロアに出て行った。
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