この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ジェミニの檻
第8章 endgate
蒸し暑い空気も図書室の中は快適だった。

むしろ雨の音がここには似合う。

六花は指先で貸出表を捲りながら、溜息をつく。

あれから3日、朝の電車でも完璧に避けられていた。

これで終わり。

六花の脳裏を過るそれを掻き消す程の何かは今の所起きなさそうだ。

ガラッとドアが開く。

「…志貴…」

「暇そうだな」

何処の棚から出してきたのかと思う程訳のわからない物理の本2冊。

「はい、オッケーです」

志貴はそのまま奥へと歩を進め、見えなくなった。

返却された本を手に棚を探す。

「志貴、あの…」

返却棚の窓際に座って本を読み耽る志貴。

「宗治さんが、7月の最終週の水曜日から二泊三日で天体観測に行かないかって」

「天体観測?」

視線は本に落とされたまま。

「うん、長野…だったかな?ロッジを借りて…宗治さんが志貴はきっと喜ぶって言ってた」

「…由岐は良いっていったのか?」

「…言ってない…けど、由岐くんはその時部活の合宿だもん」

「当て付けかよ」

「違っ…!えれなも行くもん…宗治さんはただ…志貴が星見たいだろうって…

…もういいよ、行かないって言っておくから」

/198ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ