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第9章 distanse

ぬるぬると滑る志貴な蜜壺の入り口を嬲るだけ。

「…ぁあん…ね…しきぃ…」

追えば逃げるそれに、六花は焦れったく腰を揺すった。

「そんなに欲しい？」

「…う…ぅん…」

「それ否定？肯定？」

くすくすと笑いながら、つぷっと膨れた尖先だけを出し入れする意地悪な志貴に翻弄される。

「…っやあ…もっと…っん…」

「もっと、何？」

「…っな…んて…言った、ら…い…の…？」

涙目で訴えると、志貴は思案する。

「そうだな…







…由岐が好き」

「…っえ…？」

蔑むような瞳に六花は言葉を失う。

何の冗談かと思えば、志貴の目は笑ってはいなかった。

すぅっと背中を冷ややかな空気が滑り落ちていく。

途切れた熱は一瞬で冷えていった。

「俺は由岐の代わり、だろ？」