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奴隷 裕美子
第3章 躾と別れ
「わたし、貴方にマゾにされていくみたい」

初期の躾の過程で、裕美子がそう呟いたことがあった。自分の中にあるMの性癖には、もちろんもともと気づいていたのだろうが、それを他人から開花させられようとする初めての経験に、とまどいもあるのだろう。まして普段の職場では、凛とした近寄りがたささえ漂わせている裕美子なのだから。

会うたびに強いられる奉仕の即尺と飲精。四つん這いで尻を高くあげた姿勢でバックから突かれ、その際は背中に回した両手を後ろ手に縛られたかのようにまとめて俺の手で拘束される。食事の終わりにトイレに行こうとする裕美子を制止してガマンさせ、ホテルのバスルームで俺の見ている前で排泄させたときには、さすがに涙を見せた。

「こんなふうにされても俺と一緒にいたいか」

こんな問いに自分の言葉で答えさせるのも躾の内だ。裕美子の答はいつも変わらない。

「すごく恥ずかしいのよ。死んじゃいたいくらい。でも、・・貴方がそうしたいなら・・」

そして裕美子はこうも言う。

「・・・わたしを、嫌いにならないで・・」

俺の答はいつも冷たい。

「さあ、どうかな。その内、ドMの若い女子大生にでも乗り換えるかもな」

「・・いゃ・・・意地悪・・」

裕美子は涙ぐむ。

いよいよ「奴隷」を宣告する時が来たようだ。
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