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おれは手芸部
第1章 おれは手芸部
「・・・なんでよ。振られてへんわ」

 ざわざわ、日本語ばっかり。

「別れよなんて言われてない。もともと同胞やから好きになったとも言われてないし、日本人になったから嫌やとも言われてない」
「でも連絡取れんのやろ?それが振られたってことやんか」
「ちがう」
「ちがわんわ。ハッキリ言うたろか?俺が今日な、リョヒャンにわざっわざ足引きずって会いに来たんはな、ウテソンベに頼まれたからなんやぞ」

 ざわざわざわざわ、この学校は日本語ばっかり。

「ユファと付き合うことになったからメールとかしてくんなって。3年も付き合ってたのにわからんのんかって。初級部の頃からずっとおんなじハッキョで一緒におったのに、まだ俺の気持ちがわからんのんかって」

 ナがおった学校はウリマルで溢れててみんな一緒で温かかったのに。

「ソンベより舞踊とって、ソンベより練習の帰りが遅かったのがずっと嫌やったって、ソンベがチョーゴ入ってからはお互いもっと練習が忙しくなって全然会えんかったんが嫌やったって。リョヒャンがチョーゴ入れば行き帰りだけでも一緒に過ごせると思って待ってたのに、知らん間に日本の高校受けて、知らん間に日本人になってて、帰化したとかそういうことじゃなくて、なんも話してくれんかったんが嫌やったって」

 狭苦しかったけど、ちっさかったけど、みんなおって。

「ソンベはリョヒャンにはいつも一緒におって自分だけを見てて欲しかったのに、リョヒャンが舞踊ばっかしてて輝いてて、そういうのがほんまにめちゃくちゃ嫌やったし我慢でけへんかったって。リョヒャンの心の中でソンベが一番になられへんのが嫌やったって。そんな自分の器の小ささがソンベは嫌やったって。はじめて家に来た帰りにもソンセンニンとこ練習行くって言ったリョヒャンが嫌やったって。だから日本人になったなら朝鮮舞踊なんかやめや言うたって。だからいつでもヤラしてくれてソンベだけを見てくれるユファにしたって」

 ソンギやチナやキョンアやヒョナやジフンオッパやソニオンニがおって。

「だから、俺に、リョヒャンと同じ日本の高校に入った俺にな、自分ではよーこんなこと言うて別れ切り出せんからお前が代わりに言うてくれや言うて、なんべんもしつこく頼んできたんやぞ。ソンベはそういう人やねんぞ」

 ウテオッパがおって。

「それでもまだ、わからんのんか」
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