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おれは手芸部
第1章 おれは手芸部

ウテオッパの重たそうなスポーツバッグにアレがぶら下がっているのを初めて見た日。
ウテオッパと最後に会った日。
1ヶ月前つまり、入学式のまえのまえの日。
あの日の別れ際。
ナだけが力入れて繋いでた手を離したあとで、リョヒャンも俺にこんなん作ってほしかったわーとか言って、ウテオッパは笑ってた。
あの日以来ウテオッパはタイムラインを更新せえへん。
電話も出てくれんし、メールも返事くれん。
ジフンオッパはあいつモテるからなーって笑ってた。
ソニオンニは待つだけ無駄やって怒ってた。
ヒョナは泣いてた。
でも、ナは、練習忙しいんかなとか考えながら、こんなして縫い針持って、あの下手くそなマスコットより下手くそなもんを、作ってる。
ざわざわ。
日本語、日本語。
聞き取れる意味分かる。
なのに、この学校におると、このざわざわがナを締め出そうとしてる感じがする。
なんでなんやろう。
ウテオッパとも、学校以外の場所では日本語でしか喋らんかったのにな。
ウテオッパと最後に会った日。
1ヶ月前つまり、入学式のまえのまえの日。
あの日の別れ際。
ナだけが力入れて繋いでた手を離したあとで、リョヒャンも俺にこんなん作ってほしかったわーとか言って、ウテオッパは笑ってた。
あの日以来ウテオッパはタイムラインを更新せえへん。
電話も出てくれんし、メールも返事くれん。
ジフンオッパはあいつモテるからなーって笑ってた。
ソニオンニは待つだけ無駄やって怒ってた。
ヒョナは泣いてた。
でも、ナは、練習忙しいんかなとか考えながら、こんなして縫い針持って、あの下手くそなマスコットより下手くそなもんを、作ってる。
ざわざわ。
日本語、日本語。
聞き取れる意味分かる。
なのに、この学校におると、このざわざわがナを締め出そうとしてる感じがする。
なんでなんやろう。
ウテオッパとも、学校以外の場所では日本語でしか喋らんかったのにな。

