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おれは手芸部
第1章 おれは手芸部

「あんにょーん」
顔を上げる。
開けっ放しのドアから聞こえてきたのはスリッパの音と松葉杖の音。
「リョヒャーン。俺がきたでぇ」
そして幼稚班の頃から聞き慣れた、ううん、声変わりしてから、とも言う、幼馴染の声。
と同時に視覚に入る丸顔のつり目。
「は?ソンギ?」
ソンギは松葉杖を付きながらピョコピョコ右足を跳ねて家庭科室に入ってきた。
真新しいブレザーに重厚なギプスは不似合いだ。
「え?なにしにきたん?」
目を丸くするナの前で、ソンギは丸イスをひくとドカッと無駄にでかい図体をナの隣に下ろした。
「リョヒャンが手芸部に入ったってキョンアに聞いたから見に来た」
「キョンアから?いつ?」
「ふぇいすぶっく!」
それ聞いたんじゃなくてタイムラインを観た、やろ?
指摘する前にソンギはナの手から死に損ないのゾンビを取り上げた。
「これウテソンベ?」
ウラオモテ、つまんだり日光に翳したり。
下手くそなアップリケとガッタガタの刺繍でウテオッパの顔をマネたフェルトの塊をソンギはじっくりと観察している。
顔を上げる。
開けっ放しのドアから聞こえてきたのはスリッパの音と松葉杖の音。
「リョヒャーン。俺がきたでぇ」
そして幼稚班の頃から聞き慣れた、ううん、声変わりしてから、とも言う、幼馴染の声。
と同時に視覚に入る丸顔のつり目。
「は?ソンギ?」
ソンギは松葉杖を付きながらピョコピョコ右足を跳ねて家庭科室に入ってきた。
真新しいブレザーに重厚なギプスは不似合いだ。
「え?なにしにきたん?」
目を丸くするナの前で、ソンギは丸イスをひくとドカッと無駄にでかい図体をナの隣に下ろした。
「リョヒャンが手芸部に入ったってキョンアに聞いたから見に来た」
「キョンアから?いつ?」
「ふぇいすぶっく!」
それ聞いたんじゃなくてタイムラインを観た、やろ?
指摘する前にソンギはナの手から死に損ないのゾンビを取り上げた。
「これウテソンベ?」
ウラオモテ、つまんだり日光に翳したり。
下手くそなアップリケとガッタガタの刺繍でウテオッパの顔をマネたフェルトの塊をソンギはじっくりと観察している。

