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おれは手芸部
第1章 おれは手芸部

ソンギは首を捻った。
「わからん。気にしたことなかった」
その視線の先には、
金田 麗香。
って刻まれたナの名札があるはず。
「こういう弁当を持ってくるやつって諦めてもらうしかないわな」
ソンギは足を組んで、ギプスを拳でコツンコツン鳴らしている。
昔から変わらない、マイペースなやつ。
ふうん。
鼻を鳴らしてフェルトに視線を落とす。
縫い針を重ねたフェルトに突き刺して貫通。
そしてまた突き刺して貫通。
それを何度も繰り返す。
そうや。
と、声だけで手を打つ。
「ウテオッパのタイムラインなんて、観てないよな?」
耳の中にはグラウンドで駆け回るなんの部活かも分からないけれど、エネルギーの有り余った男子生徒たちの声が響いている。
「え・・・いや、更新してないんちゃう?最近観てないで」
「そうよな」
ウテオッパたちの声も、今頃あの広いグラウンドに響いているんだろうか。
「ていうかリョヒャン、舞踊もうやらんの?」
唐突な問いかけに顔を上げる。
ソンギは相変わらずギプスをコツンコツン鳴らしていた。
「チナから聞いた。ソンセンニンとこ通うのもやめたって。いくら日本の高校に入ったからってやめんでもえーんちゃうん」
トンムらはナのプライベートを流出しすぎちゃうか?
ちょっとむかつきながら言い返す。
「関係ないやろ。つうかソンギこそ、もうラグビーはせぇへんねやろ?」
チナから聞いたで。とは、口に出さなかった。
ソンギはナとは違い、怒るでもなく、困った顔で首を傾げた。
「せぇへんとは決めてないで。ただ、治ったあとに出来るかわからんってだけで」
入学式の2週間ほど前。
深夜の公園でふざけてトンムらとラグビーしてたら、そこに酔っぱらいの不良がミニバイクで突っ込んできて転倒。
からのタイヤに脚巻き込まれて骨折、だったらしい。
どっちがアホなんかわからん。
「わからん。気にしたことなかった」
その視線の先には、
金田 麗香。
って刻まれたナの名札があるはず。
「こういう弁当を持ってくるやつって諦めてもらうしかないわな」
ソンギは足を組んで、ギプスを拳でコツンコツン鳴らしている。
昔から変わらない、マイペースなやつ。
ふうん。
鼻を鳴らしてフェルトに視線を落とす。
縫い針を重ねたフェルトに突き刺して貫通。
そしてまた突き刺して貫通。
それを何度も繰り返す。
そうや。
と、声だけで手を打つ。
「ウテオッパのタイムラインなんて、観てないよな?」
耳の中にはグラウンドで駆け回るなんの部活かも分からないけれど、エネルギーの有り余った男子生徒たちの声が響いている。
「え・・・いや、更新してないんちゃう?最近観てないで」
「そうよな」
ウテオッパたちの声も、今頃あの広いグラウンドに響いているんだろうか。
「ていうかリョヒャン、舞踊もうやらんの?」
唐突な問いかけに顔を上げる。
ソンギは相変わらずギプスをコツンコツン鳴らしていた。
「チナから聞いた。ソンセンニンとこ通うのもやめたって。いくら日本の高校に入ったからってやめんでもえーんちゃうん」
トンムらはナのプライベートを流出しすぎちゃうか?
ちょっとむかつきながら言い返す。
「関係ないやろ。つうかソンギこそ、もうラグビーはせぇへんねやろ?」
チナから聞いたで。とは、口に出さなかった。
ソンギはナとは違い、怒るでもなく、困った顔で首を傾げた。
「せぇへんとは決めてないで。ただ、治ったあとに出来るかわからんってだけで」
入学式の2週間ほど前。
深夜の公園でふざけてトンムらとラグビーしてたら、そこに酔っぱらいの不良がミニバイクで突っ込んできて転倒。
からのタイヤに脚巻き込まれて骨折、だったらしい。
どっちがアホなんかわからん。

