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Black velvet
第6章 革と 金具、そして足枷の先には。
俺は、自分の足輪につけた
革紐を はずした。


「すぐ戻る」


そして、 サイドテーブルに
その端を繋いだ。


「… どうして」


どうして、ここに繋いでおくのかと
ききたいんだろう。
どちらかが バスルームを使うときは
革紐ははずすのが、習慣だ。



だが、いま 俺は敢えて
この部屋に繋ぎとめる。


「繋がれていたがるくせに
そうくるとはな」


か細いうなじを 指でなぞると
なんのことを言われたのか
察したらしく、目を伏せた。




言葉どおり すぐに戻り
足枷のような 革紐をもとどおりにすると、

茶色の瞳が 安堵のいろをうかべることさえ
嬉しい自分が いる。


… どこまでが 俺のものなんだ。
せめて その肌に印をつけたまま
ここに来るのは …

いや、来ないよりは…


まとまらない想いをそのままに
アイスペールから 氷をひとつ。


くちにくわえて、
そのまま くびすじにあてる。


咬み痕に くちをあてるなど
よく考えればおぞましいが
毒を吸いだす処置のようなものだ。


舌で 氷をころがし、おしあてながら
ベルトの金具をはずしてやり 手をいれる。


ゆるゆるともちあがり、
蜜をこぼしはじめるのを確かめたら

ちいさくなった氷は、カズのくちびるへ。



新しい氷をくわえて
そのまま 彼のペニスの先端も
あわせて、くちにふくむ。


… ひざまでおろされたジーンズに
よじれる動きを封じられ 内腿を震わせて
繋がれたままカズは 啼く。


俺は、身体を起こして 手で愛撫をつづける。
いってみせろよ。。
じっとその顔を 見ていてやろう。

いまこのときぐらいは
俺のことだけを想っているのかを 知りたくて
みつめる視線から

カズは、その腕で顔を隠して
腰を揺らし 放った。
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