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Black velvet
第6章 革と 金具、そして足枷の先には。
カズの欲の無さと
俺への 想いが愛おしくて

なのに、ここまで堕ちていることが
可哀想で

そして そこに金でつけこんでいたのは
俺も同じだと、自分に 苦笑する。



「借金が 片付いたら。
そのときに 好きだと言ってくれ」


「…えっ…」


「俺は、 とっくに そう想っていた。
ただ この関係が恋だ愛だとなると
金を払いづらくなる」


ハンドルをきりながら
唇を噛む横顔を ちらりと見た。


こいつが女なら
すぐに 結婚して、なにもかも
不自由なくさせてやれるけれど
それは 出来ない相手だ。


服従させたいわけじゃない、
愛を買いたいわけでもない。


だから今は このまま。





絵を描いた男の 家の前で
車を停めると チャイムを鳴らした。
…カズが。



ドアチェーンをかけたまま
細く隙間が開いた。
俺に気付いたあとも
こちらには 見て見ぬ振りをしている。



「彼から 電話で、 話は聞いたよ。
だけど 俺は…モデルを辞めるなら
それはもう 止めないし
録画したものはもちろん
絵も、 持っていない」



「描きかけのやつ、捨てたんですか」


「そうだ」


「今 売ったほうが 賢いと思うが」
後ろから脚を伸ばして 靴を挟んだ。


ひっ、と 息を飲み
「絶対 人に売ったりはしない」と言い
「…捨てたから」と 付け足したが

おそらく 捨ててはいないのだろう
目が泳いでいる。


そのとき、カズが
ドアの向こうの男に 顔を近づけて

チェーンの向こうから危害でも加えられたら、と
内心慌てる俺をよそに
なにか 囁いた。


カズをじっと 見つめ返して頷くと、
「靴をどけてもらいたい」と
覚悟を決めたように 言うので

いちど閉じられるドアが開くのを
ふたりで待った。



















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