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Black velvet
第7章 細く光る、鎖。
これから同伴して出勤するカズの
足首には、宝飾店で買ったばかりの
アンクレットが隠されている。
シンプルなプラチナのでいいなら
オーダーすることもないので
今朝 手に入れた。
その鎖は、細く艶めかしい
足首のラインにも よく似合っていて
腿を抱え上げた時には
さらりとずれて 官能的だろう、と思う。
・
ペアにするか、と車の中で言ったら
「…それは ちょっと…」
やんわりと、でも真顔で拒否されて
確かに 俺には似合わないだろうと
自分には同じブランドの腕時計を選んだ。
.
出がけに するりと
俺の手首に指を巻きつけ
「足同士より すきかも」と
薄く微笑んだカズの 真意は何だったのだろう。
「お前には 分かるか?ベル」
散歩に連れ出そうと リードをつけながら
ふと、何か閃きかけて 消える。
本人に尋ねても
きっと言わないだろう、
謎掛けのような言葉の答えを
考えながら 歩く道に
冷たい雨粒が落ちてきて
俺たちは コースを変更し家へ駆け戻った。
足首には、宝飾店で買ったばかりの
アンクレットが隠されている。
シンプルなプラチナのでいいなら
オーダーすることもないので
今朝 手に入れた。
その鎖は、細く艶めかしい
足首のラインにも よく似合っていて
腿を抱え上げた時には
さらりとずれて 官能的だろう、と思う。
・
ペアにするか、と車の中で言ったら
「…それは ちょっと…」
やんわりと、でも真顔で拒否されて
確かに 俺には似合わないだろうと
自分には同じブランドの腕時計を選んだ。
.
出がけに するりと
俺の手首に指を巻きつけ
「足同士より すきかも」と
薄く微笑んだカズの 真意は何だったのだろう。
「お前には 分かるか?ベル」
散歩に連れ出そうと リードをつけながら
ふと、何か閃きかけて 消える。
本人に尋ねても
きっと言わないだろう、
謎掛けのような言葉の答えを
考えながら 歩く道に
冷たい雨粒が落ちてきて
俺たちは コースを変更し家へ駆け戻った。