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Black velvet
第7章 細く光る、鎖。
一度は 署へご足労願うだろう、と
事務的な言葉に
同情をすこし滲ませて

刑事は コートを玄関で着込み
帰って行った。



大まかな経緯を知り
残る問題は、あとひとつ。。


「カズ。 店には戻れないとなると
返済に困るんだろう」


服のまま寝ころんだベッドのうえ
腕の中で 身体が強張る。


「…どこかへ 逃げたい」


「何故 借金をして
幾らあるのか、教えてくれないか」


頑なに 黙る彼の背を撫で
「カズ。 性別のことがあるから
言い出せずに、見ていたが
もう… 俺にとって お前は「やめて


耳を塞ぐ手をはずし
指に くちづけた。


「失うことを 考えることすら辛い、
大切な 俺の家族だ」


「家族だなんて、要らない。
おれは ベルみたいに
犬に産まれれば よかった。
ここで 飼われたかった」


感情を昂らせて
すこし啜り泣いたあと
腕の中で カズが話し始めた。





女ひとりで 彼を育てた母親は
昨年の春先に亡くなったのだが

ある依存症で 家計を使い込み
借金を残していた。
…薬物。



「母さんも 辛いことがあって
そして、、気が晴れるって
男に言われて」


「そうか」


「借りた薬代は
身体で稼ぐはずだったのに
お前の母親は さっさと死んだって」


もう分かった、と言って
その独白を 止めたくなったが
聞いてやらなくては いけない、と思った。


「返せるなら やってみろ、
金利だけでも 払っていれば
風俗には落とさないって…言われた」



「でも もう他にない。
2日は待ってくれないし
あんなに条件がいいとこは
まずない」と 呟き

その手が、俺のシャツを握ったあと
シーツに落ちた。


「今まで ありがと。
明日 出てくから
今夜は ここにいさせて」


… そんな事を
させられるわけが無い。


「金を持っているのは 俺の場合
努力だけの結果じゃない。

そして、お前が借金を背負ったのも
自分のせいじゃない」


「でも 理由なんか役に立たない」


「家族だと 言っただろう。
俺に任せて、ここに居ろ」


「だって、おれは「もし立場が逆なら
お前は どうする」


不意に、静かになった。

























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