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Black velvet
第7章 細く光る、鎖。
彼は幾度も、 言葉を紡ぐための様に
息を吸い込み
そしてすこし 動きをとめては
苦しげに息を吐き
… やっと答えを出した。
「仮定なんて なんの意味もないよ。
“もし”とか “たとえば”で
救われたことなんか 一度もない」
俺に 誘導されるのを嫌がってか
敢えて そんなことを言っているようにみえる。
「俺は それで救われるかもしれない。
もし お前が、逆の立場だったら どうする?」
半身を起こして見つめれば
また泣いている。
「助けたいと 思ってはくれないか」
涙を拭った指を ぎゅっと捕まえて
カズは、震える唇に当てた。
「ほんとは、離れたくない」
息を吸い込み
そしてすこし 動きをとめては
苦しげに息を吐き
… やっと答えを出した。
「仮定なんて なんの意味もないよ。
“もし”とか “たとえば”で
救われたことなんか 一度もない」
俺に 誘導されるのを嫌がってか
敢えて そんなことを言っているようにみえる。
「俺は それで救われるかもしれない。
もし お前が、逆の立場だったら どうする?」
半身を起こして見つめれば
また泣いている。
「助けたいと 思ってはくれないか」
涙を拭った指を ぎゅっと捕まえて
カズは、震える唇に当てた。
「ほんとは、離れたくない」