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Black velvet
第8章 sweet vintage
*t


最高級といえるランクではないが、
20年以上の 熟成に耐え得るだけの 銘柄で
決して 安物ではない


誕生年の ワインを贈られたとなれば
それはきっと、歳上の男だろう

気の早い クリスマスか…





思い浮かんだ可能性のなかで
最も濃厚な疑惑は 著名な舞台監督だ。


若手に厳しく、有能だからと声を掛けた役者にでさえ
罵倒することが 度々あるのに



やっと二度目の舞台となる カズを主演に抜擢した舞台では
脚本も 彼の為に書かせたと惚け



稽古の段階から 目を細めては
褒めちぎっていたと聞く。




初日、俺が見つめるカズの隣には その男が立ち

「色気というのは 天賦の才能だと、
彼を見れば 思い知らされる」

舌舐めずりせんばかりの 視線だった。




既婚者であり かつ 性的には不能であるために
若い妻には愛人が居ると噂されていなければ

公演期間中ですら、腰が痛むほど激しく
抱いてしまっていたかもしれない。







俺は 手にした箱を
リビングのテーブルに 載せた。


気付いた ささくれを隠しておいて
他の男との あいだに何かあるのではないかと

密かに疑いながら
日々 その証拠を探そうとする自分など、
想像しただけで 惨めだ。






挙句 他の男の痕跡を見つけてしまったら
許すことは 難しいだろうし



「出て行け」と 潔く手放せる気もしない




恐らく この時点で、カズの気持ちにも
身体にも 疚しそうな気配はない


今のうちに 俺の恋人だという
自覚と 意思を、確認しておきたい。
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