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第3章 花火

並木の間を抜けて、しばらく進むと駐車場に出る。

そこには見慣れた英司君の車が停まっていて、傍らでキョロキョロ周囲を見渡す英司君が立っていた。

私は彼に向かって手を振りながら「こっちこっち」と呼び掛けた。

私を見つけた英司君は、にっこり微笑みながら駆け寄ってきた。

「急にごめんね、姉さん。立ち話も何だし、ま、とにかく車に乗ってよ。」

そう言いながら私のトートバッグを持って車に向かって歩きだす。私は彼の後をゆっくりついていった。車に乗り込むと彼はエンジンをかけて静かに走り出した。