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禊(みそぎ)
第3章 花火
英司君が私に好意を持ってくれるのは、素直に嬉しい。でもそれは義理の姉ではなく、私を女としてみてくれている。
それでは駄目なのだ。この先英司君に待っているのは、兄の妻を奪った出来の悪い弟というレッテルだ。世間の好機の目に晒され、噂は広まり、彼の人生まで駄目にしてしまう。
何をどうしていいのか、判らなくなってくる。
彼を失いたくない気持ちがあるのも本当だ。
こんな関係は終わりにしましょうと、彼を突き放す勇気も、今の私には無い。
何故だか、涙が溢れてきた。