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作品集
第10章 平成28年2月…
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◆『100歳まで働く時代がやってきた』より

明治維新で、多くの武士たちは時代に取り残されていきました。その中にあって、福沢諭吉らの先覚者は
時代の先を読み、
自らの力で人生を大きく
変えていきました。
こうした大きな変革の時代を見事に乗り切っていった人たちをよく観察してみると、必ず先見性の豊かな
人物に師事し、新しい行動と考え方の習慣を身につけています。
自己変革に努力している人が師事する人物をメンターと称しますが、明治維新前後の時期、心ある人たちがメンターとして選んだのが中浜万次郎でした。
誰もが知っているように、中浜万次郎が幕末期にアメリカから帰国してくれたことで、日本はどれだけ助かったか計り知れません。
当時の日本で、アメリカで正式な教育を受け、まともに英語を話せ、読み書きもでき、しかも捕鯨船という大型船の乗組員として
一人前の操舵の技量を身に付けていた人物は、彼ぐらいしかいなかったのです。したがって、ペリーが来日した時、アメリカ側と円滑な交渉を行うことができたのも、また勝海舟が船長として咸臨丸(かんりんまる)でアメリカまで無事に
航行できたのも、そのすべての背後に彼の支えがあったのです。14歳の時、
漁船で遭難し、アメリカの捕鯨船に救われて、
船長ホイットフィールドに可愛がられた万次郎は、その頭の良さと機敏さと人柄が買われ、船長の養子となってアメリカ東海岸のマサチューセッツ州フェアヘーブンで、小学校に通い、飛び級で進学し、最終的には専門学校で学ぶ機会に恵まれたのです。
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