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作品集
第10章 平成28年2月…
当時の日本はまだ鎖国状態にあったため本土に入国できず、琉球に上陸しました。その後、薩摩藩に引き取られました。開明派の藩主・島津斉彬は万次郎を厚遇し、自らも西洋事情を聴き出し、その航海術や造船術を藩士や船大工に教えさせました。その後、坂本龍馬も万次郎の情報をいち早く知る機会に恵まれました。龍馬の民主主義的な発想は、この万次郎の情報から
ヒントを得たに違いありません。その後、土佐藩の武士となり、藩校の教授に任命されました。その時の教え子の中に、後藤象二郎や岩崎弥太郎がいました。
幕末から明治へと大きく
変革していく中で、勝海舟や福沢諭吉のように大活躍した人物の大半が、直接的にも間接的にも、万次郎の影響を受けて自己変革を遂げ、時代のリーダーとしての足跡を残し得たのです。これからもわかるように、ひとりのメンターの存在に早く気付き、その人の持つ情報を伝授してもらえるかどうかで、その後の人生は大きく変わっていくのです。今日の日本は、明治維新と同じくらいの変革期です。人生100年の時代が目の前にある時、従来の人生観にこだわっていては、一歩も先に進むことはできません。人生100歳時代の到来の変革期の現在、幕末期の万次郎のように新しい時代を乗り切っていく先見性に富んだ人物が、私たちの周りに必ずいるはずです。
その人が見つかり、気に入った人ならば、思い切って教えを乞う行動に出るのです。そういう人は自分を慕ってくれる人を拒まず、むしろその積極性を歓迎してくれます。

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