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偽善者
第1章 偽善者
「悠里、教えてくれ、頼むよ。小学5年生の悠里には酷な質問だって分かってる。俺の頼みはあんまりにも残酷で、悠里の暖かくて優しい心を傷付けていることも全部分かってるよ。苦しめてることも、辛い気持ちにさせてしまってることも、全部分かってる、でも、俺は、ほんとは俺は、俺は・・・」
お兄ちゃんも犬の、もう古いのはいらないのー。
ほんとに欲しかったのが手に入ったから、もういらないのー。
古い犬はもう殺してもらったから、だから次は、新しいお兄ちゃんに、古いお兄ちゃんを、殺してもらうのー。
「死にたくなんかない。生きていたい。親のせいで、たった15歳で、まだ悠里を、ほんとの意味で悠里に好きだって、フェアな状態で好きだって言えてないこんな状態で、まだ夢だって途中で、死にたくなんかない。ほんとは怖くてたまらない。怖くないんだと言い聞かせないとおかしくなりそうなほど怖い。もしお父さんとお母さんが帰ってこなくて、俺ひとりきりで死ななければならないと想像しただけで怖くて、なぁ、悠里、なんて声かけてくれる?俺に、今の俺に、なんて声かけてくれる?教えてくれよ、なぁ、悠里、悠里、俺は、俺はまだ、死にたくなんか、死にたくなんかないんだ、悠里、悠里・・・・」
ヒカルねぇ、古いお兄ちゃんより、新しいお兄ちゃんのが優しくてスキなのー。だって、いつも遊んでくれるような優しいお兄ちゃんが欲しかったからー。古いお兄ちゃんはヒカルにイタイことばっかしたからー。新しいお兄ちゃんはキモチイイことしかしないんだよー。だから古いのは、ぼくに痛いことした古いのは、新しいお兄ちゃんに殺してもらうのー。
「俺はまだ・・・・」
お兄ちゃんも犬の、もう古いのはいらないのー。
ほんとに欲しかったのが手に入ったから、もういらないのー。
古い犬はもう殺してもらったから、だから次は、新しいお兄ちゃんに、古いお兄ちゃんを、殺してもらうのー。
「死にたくなんかない。生きていたい。親のせいで、たった15歳で、まだ悠里を、ほんとの意味で悠里に好きだって、フェアな状態で好きだって言えてないこんな状態で、まだ夢だって途中で、死にたくなんかない。ほんとは怖くてたまらない。怖くないんだと言い聞かせないとおかしくなりそうなほど怖い。もしお父さんとお母さんが帰ってこなくて、俺ひとりきりで死ななければならないと想像しただけで怖くて、なぁ、悠里、なんて声かけてくれる?俺に、今の俺に、なんて声かけてくれる?教えてくれよ、なぁ、悠里、悠里、俺は、俺はまだ、死にたくなんか、死にたくなんかないんだ、悠里、悠里・・・・」
ヒカルねぇ、古いお兄ちゃんより、新しいお兄ちゃんのが優しくてスキなのー。だって、いつも遊んでくれるような優しいお兄ちゃんが欲しかったからー。古いお兄ちゃんはヒカルにイタイことばっかしたからー。新しいお兄ちゃんはキモチイイことしかしないんだよー。だから古いのは、ぼくに痛いことした古いのは、新しいお兄ちゃんに殺してもらうのー。
「俺はまだ・・・・」