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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第5章 真心の証(あかし)~逢瀬は美しく儚く~
ハンが少し笑いを含んだ声音で言った。
「そなたは随分と守りが堅いというか、用心深いんだな。私はソナのそういう男慣れしていないところもとても好きなんだけど、あまりに頑なすぎると困ってしまう」
ハンの手がまたソナの頤(おとがい)にかかった。そっと仰のかされたソナの瞳に、ハンの綺麗な顔が映っている。その刹那、ソナの心に震えが走った。何なのか、得体の知れない震えが身体中を駆けめぐってゆく。