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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第6章 恋人の秘密
 この呟きを聞いた老内官は胸をつかれた顔をしたという。
 二度まで妻に先立たれた若い王の身辺は淋しいものだった。後宮には三人の側室がいるが、それは形だけのもので、王が彼女たちの許に脚を向けることはない。大殿の寝所でいつも独り寝する国王の孤独を癒す女はいなかった。
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