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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第6章 恋人の秘密
 窓際から垂れた紗はほんのり薄紅で、美しい蝶の飾りが揺れている。その傍らには紫檀の卓が置かれ、これ一つで平民なら一年以上は家族が食べてゆけそうなほど値の張りそうな大壺が乗っていた。青磁の壺には複雑な唐草模様が刻まれており、大振りの薄紅の百合の花が束になって活け込まれていた。
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