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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第10章 昼間の密会
 どうやら、母親の手を振り切って走ってきたらしい。盛大な泣き声を上げるその子の側に、ソナは近寄った。
「大丈夫?」
 ソナはしゃがみ込んで男の子と眼を合わせた。袋からまだ温かな饅頭を一つ取り出して、男の子に見せる。
「これを上げるから、泣かないで」
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