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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第10章 昼間の密会
 五歳ほどのその子は現金なもので、饅頭を見るとふっつりと泣き止んだ。そこに慌てて後を追ってきた若い母親がやってくる。
「まあ、奥さま、申し訳ございません。倅がとんだご迷惑をおかけしまして」
 朝鮮は身分差のはっきりとした社会である。粗末なチマチョゴリを着た二十代初めほどの母親は、ひとめで上流両班の若夫人と知れるソナに恐縮して頭を下げた。
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