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魔物の潜む森CSP
第2章 本編
夜風は身体にさわる。こんなこと言いはじめたのは誰だ?と言わんばかりにエレナは森の中を進んでいく。
彼女の肩から地に着かんばかりに垂らしたマントを靡かせるのは森の中から漂ってくる清涼な風。
今宵は満月。森の中は地面まで強い月明かりに照らされる。
「さっさと財宝とやらを手に入れて、一生遊んで暮らしてやる」
にしし、と笑みを浮かべ、財宝を手に入れたことを考えながらのしのしと歩むエレナを林の中から覗く怪しい影があった。
エレナも歴戦の戦士である。森の異変に気付いていた。
(妙だ…静か過ぎる…)
―-ガサッ
林の中から発された異音。
「!?」
準備していたかのように彼女は腰の剣に手をかける。異変を発した林は特に動いた様子もない。
『グォォォ』
その瞬間、蔓が襲ってきた。
それは、食人植物マンドレイクの一部である。
「やっと、来やがった!」
敵の出現に口角を吊り上げ蔓に向かって剣を一閃させる。
―-ズバァ、ザンッ
エレナ目がけて飛び掛った蔓は狙いを外され、繰り出された斬撃によって出鼻を挫かれる。
「あはは! 運が悪かったね!」
マンドレイクの蔓の葉片は剥がれ落ち動きは鈍った。
勝負はもうあと一撃で決まる。
「死ねえええええ!」
雄叫びをあげながら一気に詰める。
―-ドッ
蔓は袈裟懸けに真っ二つに斬られ地に伏した。
勝敗は決したかに見えた瞬間。エレナの左足首に蔓が巻きついていた。
「うあっ!」
エレナが気づいたのは宙に逆さ吊りされた瞬間だった。
「!!」
そして瞬時に大地の中から大柄な成人男性型の上半身を持つモンスターが現れた。
『足元の触手に気づかぬとは』
モンスターはニヤリと口から長い舌を出す。黒魔術でモンスターと融合してまでも強さを求める人間は多く存在した。その代償は数年後に理性をなくし脳まで野生化することだ。雄にとっての野生的な要望とは食欲、睡眠欲ではなく、性欲が120%を占める。
彼女の肩から地に着かんばかりに垂らしたマントを靡かせるのは森の中から漂ってくる清涼な風。
今宵は満月。森の中は地面まで強い月明かりに照らされる。
「さっさと財宝とやらを手に入れて、一生遊んで暮らしてやる」
にしし、と笑みを浮かべ、財宝を手に入れたことを考えながらのしのしと歩むエレナを林の中から覗く怪しい影があった。
エレナも歴戦の戦士である。森の異変に気付いていた。
(妙だ…静か過ぎる…)
―-ガサッ
林の中から発された異音。
「!?」
準備していたかのように彼女は腰の剣に手をかける。異変を発した林は特に動いた様子もない。
『グォォォ』
その瞬間、蔓が襲ってきた。
それは、食人植物マンドレイクの一部である。
「やっと、来やがった!」
敵の出現に口角を吊り上げ蔓に向かって剣を一閃させる。
―-ズバァ、ザンッ
エレナ目がけて飛び掛った蔓は狙いを外され、繰り出された斬撃によって出鼻を挫かれる。
「あはは! 運が悪かったね!」
マンドレイクの蔓の葉片は剥がれ落ち動きは鈍った。
勝負はもうあと一撃で決まる。
「死ねえええええ!」
雄叫びをあげながら一気に詰める。
―-ドッ
蔓は袈裟懸けに真っ二つに斬られ地に伏した。
勝敗は決したかに見えた瞬間。エレナの左足首に蔓が巻きついていた。
「うあっ!」
エレナが気づいたのは宙に逆さ吊りされた瞬間だった。
「!!」
そして瞬時に大地の中から大柄な成人男性型の上半身を持つモンスターが現れた。
『足元の触手に気づかぬとは』
モンスターはニヤリと口から長い舌を出す。黒魔術でモンスターと融合してまでも強さを求める人間は多く存在した。その代償は数年後に理性をなくし脳まで野生化することだ。雄にとっての野生的な要望とは食欲、睡眠欲ではなく、性欲が120%を占める。