この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
水蜜桃の刻
第10章 高揚


「……うそ」


勝手に口をついて出たのはそんな呟きだった。
それしか、出なかった。
頭の上に置かれている手に意識がいかないほど、先生のその言葉が今、私のすべてを支配していた。


「何で嘘つく必要があるの」


困ったように笑う先生。
頭から、離れた手。


「いないのって変?
でも透子ちゃんも彼氏いないって言ってたじゃん」

「……あ、うん、それは……」


それは、そうだけど────。


でしょ? と、先生が優しく微笑む。
それから時計を見て、小さく息を吐いた。


「ごめん。時間だから、今日はこれで」


また後で連絡するよ、と言われ、我に返った私は


「あ、うん……!」


そう、慌てて返事を返す。


じゃ、と私に背を向けて去っていく先生。

その後ろ姿を少し見送ってから、私は反対方向へと歩き出した。
高揚しているかのようなその気分はしばらく冷めそうになかった。


だって、先生、彼女いないって……確かにそう言った。


どうしよう、嬉しい。
すごく、すごく、嬉しい……!


勝手に、顔が笑ってしまいそうになる。


先生。
私、先生のことまた好きになっていい?

……ううん、間違いなくもう好きになってる。
こんなに心が騒ぐ相手、やっぱり他にいない。


ねえ、先生。
先生も私のこと、今度はそういう対象として見てくれるよね?
だって今はもう私たちは先生と生徒なんて関係じゃないんだから。


/321ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ