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水蜜桃の刻
第15章 その背中


「……おねがい……もっと、っ……もっとして……」


身体を横に倒し、背後にいる先生を振り返るようにしながら上になっている膝を立てた。


「せんせ、っ……」


縋るように見つめれば、先生はその足を掴み、大きく開かせる。
そのまま私の下になっている足に跨がり、再びなかにはいってきて────。


「ああ……!」


届く。
それが、深く。


「……奥、いいっ……きもちいっ……!」


……こうしている今は、先生はいる。
私の欲しい言葉はくれないけど、でも、確かにここにいてくれる。
そう……私のそばに。


「あっ、先生……先生……っ!」


もっといて。
ずっといて。
どこにもいかないで。


快楽に身を委ねながら……そんなことを思う。


先生に何度もセックスをねだるのは、この時間を終わらせたくないから。
できるだけ長く一緒にいたいから。


「きもちいっ、ああっ……!」


いやらしく先生を誘うのは……激しく乱れるのは、先生からも、私を求めたいってもっと思ってもらいたいから。


「や……またいく、っく……!」


何度も絶頂を迎えていると朦朧としてくる意識。
それでも私は、先生、と呼び続ける。
セックスをねだり続ける。


先生が果て、深い息を吐きながらベッドからおりるまで。
シャワーを浴びに、バスルームに消えていくまで────。



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