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水蜜桃の刻
第15章 その背中
……パタン、と閉められたドア。
私の言葉はもう届かない。
そこにいない先生には……届かない。
「……なん、で……?」
ぺたん、と崩れ落ちるように床に座り込んだ。
まだ、身体に余韻が残ってる。
先生に愛された、甘い余韻が。
なのにどうして先生はいないの?
どうしてもう会えないの?
頭の中が、よくわからないことになっている。
ぐちゃぐちゃな思考回路に、もう呆然とすることしかできない。
『もう充分楽しんだでしょ?』
先生が口にした
『俺も、透子ちゃんも』
その、言葉。
『離して』
その、拒絶────。