この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
水蜜桃の刻
第16章 覚悟


目が覚めたとき、私はソファーに横になっていた。
掛けられていたタオルケット。

え……と、見覚えのない光景に戸惑いながら、辺りを見回せば


「気がつきました?」


本郷くんの姿がなぜかそこにあり、え……? と私は戸惑った。


「ここ、鈴木さんが倒れた場所近くの会社です。
事情話したら快く休ませてくれました」


そうか私、あのまま────。


「鈴木さんを運ぶのも手伝ってくれたんですよ」


どうやら、いろいろと迷惑を掛けてしまっていたらしい。


「ごめんね……ありがとう」


お礼を言いながら、起き上がる。


「……でも、何で本郷くんが?
加奈ちゃんの声がしたとこまでは覚えてるんだけど……」

「ああ、俺、坂本さんと一緒に歩いてたんで」

「え?」

「昨日みんなで飲み行こうってなったじゃないですか。
鈴木さんは用事あるからって言って来なかったけど」


そうだった。
すでに先生との約束が入っていた私はその誘いを断ったんだった。


「みんな、車置いて電車で帰ったから。
で、朝、坂本さんと駅で一緒になったんですよ。
……坂本さん、今日はどうしても外せない仕事があるって言ったから、じゃあ俺が鈴木さんについてます、ってそう言って」

「そうだったんだ……ごめんね、本当に」


そこまで話すと、はい、と差し出された眼鏡。
ありがとう、と手を出す。
けれど本郷くんは寸前でそれを引っ込めた。


/321ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ