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水蜜桃の刻
第17章 その心
「だったら……!」
欲しい。
先生が、欲しい。
「先生もちゃんと私を欲しがって!」
しがみつくように抱きついた、その身体。
「好き……先生、っ、好き……!」
何度も口にした。
「お願い先生……! 私を……!」
欲しいと言って。
ううん、言わなくてもいいから。
その身体で、どうか。
「ねえ、ここからちゃんとしよ……!」
先生に抱きつきながら、少し顔をあげる。
「始めたい、先生とちゃんと……!」
見つめる、喉のライン。
男の人を感じるその部分に、私はたまらなく引き寄せられる。
思わず唇をあてると、そこが動いた。
それが嬉しくて、何度も何度も口づける。
「……先生……っ……」
合間に囁くそのひとの呼び名。
拒まれないことで、欲望は加速した。
首に両腕を回し、背伸びする。
逃げないで。
そのまま、そこにいて。
「逃げないで、私から────……」
やがて重なった唇。
久しぶりに感じた先生のその柔らかさ。
「ん、好き……っ……」
離れた瞬間に思わず口にすれば
「……っ、知らないからな、もう……!」
そう、それは、吐き捨てるような口調。
唇の熱さと共に、私に、落とされた。