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水蜜桃の刻
第17章 その心
合わさった、唇。
そのまま身体を押されるようにされ、思わず後ずさった私の背中が再び壁へとぶつかる。
先生の両手が私の頬を挟み込んだ。
そのまま口を開けば、すぐにくちゅりと入り込んでくる先生の舌。
入り口で待っていた私のそれにねっとりと絡ませてくるような、そんな深い口づけ。
ずっと。
ずっと焦がれていた。
先生の唇がどうしようもなく欲しかった。
先生の膝が私の足のあいだを割ってくる。
開かされ、入り込まれる。
さらに近付く先生の身体。
じんじんと疼き出す心が求めるまま……自分からも身体を押しつけ返すようにしながら、先生の唇を激しく貪った。
「……っふ、う、んん……っ……」
ちゅくちゅくっ、とさっきから響いている、淫らな水音。
先生の舌と私の舌が絡み合う、その音。
何度も角度を変え、深く重ね合う。
溶けて、蕩けて。
上顎を舌先でくすぐられ、駆け抜ける。
そう……痺れが、背中を。
「ん……ふ、っん……っあ……」
そこだけじゃなく、私の口内をひたすらに味わうようにする先生。
容赦のない貪りに、もう、立っていられなくなる。
先生にしがみつくようにしていた手に無意識のうちに力がこもる。
「……せんせっ、ソファ、に……っ、ん……」
たまらず願えば、くちゅ……と甘やかに音を引きずり、私の口内から逃げていく先生の舌。
唇はまだ軽く合わさったままで、……ん? と聞いてくる。
「……っ、だから……あっち……」
視線を流し、そこを示した。
言葉にしたとき少しだけ離れてしまった唇が寂しい。
早く、この続きを。
先生……っ、早く────……。
くん、とその袖を引っ張るようにする。