この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
水蜜桃の刻
第18章 陶酔

少し身体を離して、先生を見つめる。
不意に先生が、指先で私の唇をなぞった。
ん……、と、しばらくその感触を味わった私をその衝動が襲う。
「……私だって、先生を」
先生のその指先を掴んだ。
「私から逃がしてなんかあげないから」
指先に口づけるようにして、先生を見る。
へえ……と先生があの笑い方をした。
口角を片側だけ上げた、それを。
「言うね」
低い声で呟かれ、ぞくりと肌が粟立った。
たまらなくなり、また先生に抱き付く。
「……っ、先生────!」
その唇を求めれば、すぐに与えられた。
最初から開かれた私の口内。
けれど先生は唇だけを何度もついばむようなキスを繰り返す。
「ん……」
それはそれで気持ちよいけれど、私はもっと深い交わりを求めていた。
だから自分から、舌を出す。
重なってくる先生の唇を舐めた。
「……そんなもの?」
唇が離れたとき、先生が呟いた。
え……? と、その視線を合わせれば
「俺を欲しがる気持ちはその程度?」
そう、意地悪く笑う先生。
「……っ」
首を振り、その首に両手を回して引き寄せた。
唇を重ね、先生の口内へと舌を伸ばす。
見つけた先生のそれに、円を描くようにねっとりと絡ませた。
「……ん、っ……は……」
くちゅ、と鳴る水音に煽られながら、自分がされて気持ちよかったことを先生にもしていく。
上顎をちろちろと舌先で擦った。
は……と先生が漏らす息が嬉しい。

