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水蜜桃の刻
第3章 その唇
──え?
一瞬、何が起こったのかわからなくて。
「……っ! ごめん……!」
慌てたようにドアを閉める先生。
そして我に返る私────。
「────!!」
自分が下半身を露わにしていたことに気づき、声もなくその場に崩れ落ちた。
「ごめん! ほんとごめん!」
ドアの外から、焦ったような先生の声が聞こえる。
え……見られた……?
先生に……この格好、見られたの?
頭が真っ白になる。
どうしよう。
何やってたんだって思われた。
突然こんな……脱いだりなんかしてて、おかしいって絶対思われた……!
先生が謝っている声がずっと聞こえる。
でも返事をする余裕なんてあるわけがない。
「……っ、ごめんね!」
やがて遠ざかっていく声。
階段を下りる音が聞こえて────。
じわ……と、涙がこみ上げた。
頭の中が、もうパニックで。
こんな展開、予想もしてなくて。
全部、私のせいなんだけど。
確かにそうなんだけど。
「……っ……」
先生の顔、もう見れない────。
どうしたらいいかわからなくて、ショーツを手にしたままベッドにあがる。
うずくまるようにしてかぶったタオルケット。