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水蜜桃の刻
第20章 蜜刻
「んっ」
ふれられた、胸元。
押すように……辿るように、何か所かに。
「……消える前に、また、刻むから」
呟きながら、私にまた、視線を。
私はもう泣きたくて。
なんだかよくわからないけど、たまらなく泣きたくて。
勝手に歪む顔を、どうにもできずに、ただ、その視線だけを懸命に受け止めていた。
私からのその視線を受け止めたまま、先生は私の足の方にさがっていく。
ショートパンツとショーツの両端に掛けられた指先。
そのまま、一気におろされた。
「……っ……!」
ショーツはきっともうひどく汚れているだろう。
今さらだけど、それを知られるのが恥ずかしい。
なのに、早くそこを見てほしいとも思う。
先生の想いにあてられた私の身体が、もうどうなってしまっているのかを。
先生の手が、私の足から完全にそれらを取り去る。
そして、そのままショーツの内側を指先で辿った。
その口元が、意地悪そうに歪む。
「……もう、ばかっ」
その表情を目にした途端、どうしたらいいかわからなくなった私の口から、無意識にそんな言葉が出た。
先生に八つ当たりをするような言葉が。
「替え……あと、ないよ……」
たまらず、先生から目を逸らし、呟く。
思わず下唇を噛んでいた。
だってこんなのどう考えたって反則だ。
さっきのセックスはまだ序の口だと言わんばかりの先生の言動に──本気の、先生の想いに、私の頭はもうパニックを起こしてる。