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水蜜桃の刻
第21章 epilogue


私はあのあと、加奈ちゃんに真っ先に報告した。

街中で倒れたとき、本郷くんから言われたように『最近元気がない』私の様子から、相手とはいい関係を築けていないのではないかとずっと心配してくれていたらしい加奈ちゃん。

簡単にだけど話をした。
10年前のことは黙ったままで。

そして私の覚悟を知ると、見守ると言ってくれた彼女。

先生とちゃんと向き合える関係になれたあのあと、そのときのことを伝えると、かけられたのは『頑張ったんだね、透子』というひとこと。

……その優しい声と言葉に、思わず泣けてしまったことを今でもよく覚えている。


本郷くんには、特に何も伝えてはいなかった。

けれど、加奈ちゃんから聞いたのか、それとも彼自身が私の言動から感じ取ったのか……後日、職場の飲み会に参加したとき、最近は元気そうですね、と声をかけてきてくれた。
私は頷いて、ありがとうと伝え、本郷くんはそれに笑って返してくれた。

あとで聞いたけど、加奈ちゃんは彼に特に何も伝えてはいなかったらしい。

本郷くんのその話をしたとき、いいやつだなあほんとに……と独り言のように呟いていた加奈ちゃん。
ん? と少しだけ感じたそのことは、彼女が何かしら言ってくるまでは黙っていようと思っている。



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