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水蜜桃の刻
第2章 欲情


でも、ただそれだけ。
だって私には当時、付き合ってる男の子がいたから。

もともと仲も良かった子からの告白を、特に悩むこともなく受け入れた中2の秋。
先生への想いはあくまでも憧れで、恋愛対象としてなんて考えてなかった頃。


初めての彼氏。
初めてのデート。
初めてのキス。

中3の春には、初めてのセックスも経験した。
最初は正直痛いだけだったその行為。
けれど回数を重ねるたびに少しずつその気持ちよさを知っていった。


うちはお父さんもお母さんも働いていて、平日の帰りはふたりとも18時以降。
お兄ちゃんも部活で、帰りはいつも遅い。
だから必然的に私の家で……この部屋ですることが多かった。

好奇心旺盛だった彼。
私も、もちろんそれなりに興味はあったから、するたびに知っていく異性の身体に、すぐに夢中になった。
自慰をする彼を見ながら、私もするように言われたりもした。
知識が豊富だった彼に教えられるままにいろいろ覚えていった。


『うちら受験生なのにね』


そんなふうに言い合いながらも、身体を重ねることは止められなかった。


でも、彼氏と淫らにセックスをしているこの部屋で、先生の指導を真面目に受けている私。

時々なんだかおかしくなって、不意に笑いがこみ上げることもあった。

先生が不思議そうに口にする『どうしたの?』
何でもないです、と答えながら、先生は私がそんなことしてるなんて思ってもいないんだろうな、と考えて、ひとりでまたおかしくなったりしていた。


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