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水蜜桃の刻
第2章 欲情

3月。私は志望高校に合格した。
家族も先生ももちろん喜んでくれた。
お祝いのご馳走が並ぶテーブルには先生も同席。
合格祝いの希望を聞かれた私は「これからも先生に勉強を見てもらいたい」と答えた。
お父さんは、先生さえよければ、と言い、先生は、大学在学中……つまりあと一年しかみられないけれどそれでも構わなければ、と言ってくれて、私はもう一年先生の指導を受けられることになった。
先生と会えることになった。
その一方、高校が別になってしまった彼氏は忙しい部活に入ったらしく、平日の帰りも遅く、土日も毎週のように練習があった。
会えたとしても、週末の夕方に少しだけ。
週末は基本的にお母さんが家にいる。
だから、セックスなんてできなかった。
彼氏もだろうけど、正直、私も欲求不満だった。
だって、前はあんなに頻繁にしてたのに、今はせいぜいキスぐらいしかできない。
……だから、たまった欲求は自分で慰めて解消することが増えていった。
ひとりでするときはいつも、彼とのセックスを思い出す。
彼の唇。
彼の指先。
彼のもの。
触られて。挿れられて。突かれて。
そんなことを思いながら、乳首を弄る。
指先で擦ると硬く膨らんでくる下腹部の敏感な突起をくりくりと刺激すると、ぬるぬるが溢れてくる。
同時に、指を挿れて気持ちいいところを押すように擦ると、あっという間にいけてしまう。
でも、本物が欲しくて、ひとりでしてもなかなか疼きがおさまらないときもある。
いやらしい私の身体はそんなふうに快楽に貪欲で。
……けれど、そんな自分が嫌いではないのも事実だった。
だって、相手が誰でもいいってわけじゃない。
ただ、彼としたいだけ。
それだけだったから────。

