この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
水蜜桃の刻
第6章 予感


……やっぱり。
やっぱり、先生だ。


あのときより少し印象は変わったけど、それでも間違いなく先生だった。

今はもう……32歳?
大人な雰囲気を漂わせながらも、その笑顔はあのときのまま。


動悸が、おさまらない。


ねえ、先生。
私に気づかないの?


長いあいだ会ってなかった。
長かった髪はショートボブになり、あのときより少し痩せ、幼く見せていた丸顔ももうそうではなくなった。
化粧も覚え、私の見た目は確かに変わったかもしれない。


……でも。


でも私のこと忘れないって……そう約束してくれたよね? 先生────。


唇を、ぎりっと噛む。


気づいてよ、先生。
私は一目でわかったのに……ねえ、先生は何で気づいてくれないの?


……ううん。


気づかないならもうこのまま。
このまま、私も気づかないふりをした方がいい。
そうしたほうが、きっと。


そんな気持ちが、ぐるぐると頭の中で絡み合いながら回り続ける。


だって。
さっき、顔を見た瞬間、一気に10年前に引き戻されてしまったかのような感覚に襲われた。

懐かしいとか、そんな生やさしい感覚じゃない。

少しずつ薄れていくだけに違いなかったあのときのその記憶。
あんなにも鮮明に、先生を先生だと認識した瞬間、蘇った。


どうしよう。
私はどうするのが正解なの?
どうすればいいの?


ねえ、先生。
私、どうしたらいいの────?



/321ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ