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快楽主義者
第2章 ーーfarstーー
それに……
上司の指にはペアリングと思われる指輪がある。
きっと彼女がいる。
まあだからって落ち込むわけない。
むしろそっちのほうが都合がいい。
相手から好意を向けられながら抱かれても私は萎える一方。
キスが絶頂の邪魔をするし、好きとかそんな言葉よりもっと気持ちが高まる言葉が欲しい。
だからむしろ彼女持ちとするほうが私は好きなんだ。
彼女といるはずの時間を私に使ってると思うと凄くそそる。
まあ同性からしたらこんな女嫌なんだろうけど。
でも私も最初からこうだったんじゃない。
いつのまにか車は発進してて真っ暗だけど外の景色が流れてるのはわかった。
海沿いを走ってるのを見ながらふと昔の事を思い出し涙が少し目に溜まった。
そんなキャラじゃない。
自分に言い聞かせ笑顔を上司に向けた。
「佐藤さん、今日はありがとうございました!楽しかったです!明日からまた仕事頑張れます!」