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秘愛  
第2章 動き出す・・
「あ・・あの、すいません!」

なんでオレが謝るんだ?
それにすいませんなんて言っちゃったら泣いてたのわかったよって
言ってるようなもんじゃないか・・

立ち去ることも近づくこともできずにいる孝明に遙香は、
甲高い笑い声を浴びせかけてきた。

「ちょっとぉ!もしかして篠宮くん、私が泣いてたとか思ってる?」

煙りの立ちのぼるタバコを持ったまま、遙香がすぐ目の前までやって来た。
間近に顔を突き出されて、
その迫力に心臓から爆音がしそうになった。

「こーれ!煙がもろ目の中に入ってさぁ!
 ごしごし擦りたいんだけどそんなことしたらマスカラにじんで
 パンダになっちゃうからさ、自然に治まるのを待ってたのよ」

「なんだぁ・・焦りましたよ、もう・・マズイとこ来ちゃったなって。
 それに心配もしちゃったし・・」

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