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秘愛
第2章 動き出す・・
「ところでオレのためって、なんですか?」
野太い声がざわつく中で、少々頼りない声音で尋ねる。
遙香は眼をクリッとさせた。
「バンコクの話した時・・なんか訳ありだって顔してたでしょ?
誰にも気持ち吐き出してないような・・そんな顔してたからさ・・」
大正解・・!
遙香をターゲットにしてまさに自分の見る目を褒める気になった。
先輩女子には後輩男子の隙なんて、難なく見抜かれてしまうのだ。
孝明は天を仰いだ。
「さすが、奥村女史、するど過ぎます・・」
両手をあげ降参を表す。
その時の遙香の顔ったら、満足一色に染まっていた。
「降参したなら・・気の済むようにしゃべっちゃえば?もちろんオフレコなんだから」
やっと・・
停滞していた空気を流せる・・
孝明は・・心を開くことにした。