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秘愛  
第2章 動き出す・・
孝明の褒め言葉に、遙香はフッと鼻を鳴らした。
残りのビールを飲みほし手をあげる。
上げながらビール2つね!とにいちゃんがやってくる前に声をあげる。
あきらかに、なにかたまっているものを吐き出そうとしている、そんなふうに
孝明には見えた。

「篠宮くん、まだまだ女を解ってないわね。
 でも・・感づいたようね・・この短時間でちょっとは成長したのかしら・・」

やっぱり、遙香は何かを秘めていた。
オレのため、なんて言っておきながら、
じつは自分も吐き出したかったんじゃないだろうか・・

「奥村さんは・・もちろん彼氏いるんですよね?
 独り者っていっても結婚してないってだけですよね?どんな人なんですか?」

この問いかけに、遙香はなかなか口を開こうとしない。
運ばれてきたビールを何度も口にしながら、
自分の中のタイミングを待っているようだった。

「あ・・オレ、なんか悪い事言いました?」

「・・私・・キミに説教できるような女じゃないの、ホントは・・」

「え?どういうこと?・・ですか?」

「・・私の彼は・・・奥さんがいるの・・・」

「う・・そ・・・!」




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