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秘愛
第4章 理由
次の言葉はなかなか出てこない。
フライドポテトを手にしては皿に戻し、手にしては戻しを何度も繰り返す。
きっと一生懸命心の整理をつけようとしている遙香を気の毒に思う。
だが、彼女の考えは正しい事だし、しなければいけない事だと思う孝明は、
少し冷たい声を返す。
「奥村さんの言う通り、その通りにしたほうがいいと、オレも思いますよ」
冷静な響きに、遙香もしっかりと顔をあげた。
「いずれは別れなきゃいけないでしょう?
だってこれからは子供が一番になってくる。奥さんの事も大事にするだろうし。
そこに奥村さんが割って入ったって、勝ち目ないし、
かえって辛い思いするだけでしょ。
だいたい、その男もズルすぎでしょ?女房と愛人、両方手放さない、なんて」
ちょっとキツイ事言ったかも・・
遙香から目を逸らし、落ち着きなく膝をこする。
でも本当のことだ。
常識から言っても自分の言っていることは間違ってはいない。
だけど受け止める遙香のほうは
愛が優先されていて倫理なんて置き去りになっているだろう。
だからそこキツクてもなんでも、
はっきりと言わなければと孝明は引かなかった。
フライドポテトを手にしては皿に戻し、手にしては戻しを何度も繰り返す。
きっと一生懸命心の整理をつけようとしている遙香を気の毒に思う。
だが、彼女の考えは正しい事だし、しなければいけない事だと思う孝明は、
少し冷たい声を返す。
「奥村さんの言う通り、その通りにしたほうがいいと、オレも思いますよ」
冷静な響きに、遙香もしっかりと顔をあげた。
「いずれは別れなきゃいけないでしょう?
だってこれからは子供が一番になってくる。奥さんの事も大事にするだろうし。
そこに奥村さんが割って入ったって、勝ち目ないし、
かえって辛い思いするだけでしょ。
だいたい、その男もズルすぎでしょ?女房と愛人、両方手放さない、なんて」
ちょっとキツイ事言ったかも・・
遙香から目を逸らし、落ち着きなく膝をこする。
でも本当のことだ。
常識から言っても自分の言っていることは間違ってはいない。
だけど受け止める遙香のほうは
愛が優先されていて倫理なんて置き去りになっているだろう。
だからそこキツクてもなんでも、
はっきりと言わなければと孝明は引かなかった。