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秘愛  
第5章 この手の中に
「だったら・・ウチに来てよ・・
 オンナはいろいろ後始末が大変だからさ」

バッグからハンカチを取り出して眼のふちを拭う。
マスカラがにじまないよう、注意を払って涙を拭くと
恥ずかしそうに遙香は笑う。

孝明は、自分から言い出したくせに、その言葉に頬を赤らめた。

「じゃあ・・今夜は遙香さんちで・・」

肩を抱き、早々に歩き出す。
自分の心臓の破裂音が遙香に伝わっていくほどにその体を引き寄せ歩く。

人通りが多くなってきても孝明は
その距離を変えずに歩き続けた。
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