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白堊の彼方へ
第1章 その温もり
この間と同じように屋上に出ると溢れんばかりの光が差し込み、今まで暗い廊下にいたせいか突然浴びたその光に圧倒された。
中と外では想像もつかないほど対照的で、有紗は屋上に出るのをほんの少し躊躇した。
大人びた風貌と屈託のない笑顔が入り混じる蒼は有紗に手を差し伸べるとこの間と同じように外に連れ出した。
「有紗は外にいた方が伸び伸びしてるね」
太陽の下で柔らかく微笑みながら蒼は髪をかきあげた。
その何気ない仕草さえも整った顔立ちの蒼がやるとハッとさせられた。