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白堊の彼方へ
第1章 その温もり


「この、白い中から抜け出したいの」

私の意味深な答えにさほど困難を見せなかった。

多くの人は私のこの言葉に困惑し、そして憐れみの目を向けるのに。

「そうか」

それだけ言うと私の手を取りさっき来た道とは別の方に歩き出した。

彼の手は暖かくてそして大きくて私はなれないその感覚に不思議と嫌な気はしなかった。




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