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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第6章 ☆SS1: 春雪~キミと出逢った季節~
……酔っていても寝惚けていても、自分の発言を忘れるなんてことは皆無。
加賀谷が放った台詞を聞いて、完全に目が覚めた。
「……そうだった、思い出した。
衝撃過ぎて一瞬夢じゃねぇかと…」
「残念ながら現実だ」
「悪い、質問を変える。
確かに来いと言ったのは俺だけど……」
来客とは思えない横柄な態度で、加賀谷がズカズカと廊下を進むから
舌打ちをして、仕方なくその後ろに付いていく。
「企画部数名、泊まり込み。
どーせ真面目なお前は朝まで完徹したんだろ」
「………」
「別に来るのは構わないけどよ。
普通直帰してさっさと寝たいって思わねぇ?」
「………」
「なんだってこんな休日の朝っぱらから……」
俺の愚痴にも一切反応せず、リビングに入った加賀谷。
……ふいに、そいつの左手に何やら違和感を感じて
「………!」
後ろに立って覗き込むと
加賀谷の手に、なぜか女物のストールが握られていた。
淡いレモンイエローのカシミヤ……
……あぁ、そーいや昨日……
「それ、蓮見が巻いてたやつじゃねぇか?」